1. 内側ディスプレイ（折り目）のチェック

折りたたみ最大の評価ポイントは内折れディスプレイの状態です。以下は特に減額幅が大きい傾向にあります。

• 折り目の“白い線・にじみ（ムラ）”：常時表示に現れる白線やカラーフリンジは重度判定になりやすい項目です。
• タッチ不良・ゴーストタッチ：折り目付近や上下端での反応抜けは、パネル交換相当の見立てとなります。
• 浮き・気泡・“油膜”のような光り方：下地層の劣化やフィルム剥離の可能性。進行性があるため査定は保守的になります。
• UTGの微細割れ・圧痕：爪先や硬質異物の圧痕、ペン先の跡は要注意（Foldは専用品以外のペン使用痕が減額）。

2. ヒンジ・剛性感・開閉角度

ヒンジは折りたたみの寿命を左右します。以下の症状は評価に直結します。

• ギシギシ音・粉末状の異物：砂塵混入の痕跡。開閉時の音や引っかかりはマイナス。
• 途中保持（フレックスモード）の緩み：任意角で止まらない／勝手に閉じるのはヒンジ摩耗のサイン。
• 閉じた際の“隙間”や左右段差：初期からの設計差もありますが、落下曲がりの可能性も併せて確認します。

3. 純正保護フィルム／浮き・気泡・端の欠け

Galaxy Zは純正の保護層が前提設計です。純正フィルム貼付の有無は評価に影響します。端の欠け・浮き・シワは軽微でも“進行性”として見られるため、貼り替え推奨の判断になることがあります。市販の硬質フィルムは折り目にストレスがかかるため減点対象になりがちです。

4. カバー画面・外装フレーム・背面

外側のカバー画面は使用頻度が高く、細かい擦り傷や打痕フレームが見落とされがち。レンズリングの割れ、微細ヒビ、アルミ外装の歪みは写真で目立つため減額になりやすい項目です。ワイヤレス充電の反応ムラや、NFC/おサイフケータイの読取不良もあわせてチェックします。

5. バッテリー・充電・発熱の挙動

Z Fold/Flipはセル構成が特殊で、左右セルのバランス劣化が起こることがあります。急速充電の握りこみ具合、ワイヤレス充電、熱を持ちやすいアプリ実行時の温度上昇など、体感でわかる部分も評価材料。膨張や背面浮きは安全面から大幅減額です。

6. 修理歴・防水シール・パーツ真贋

折りたたみ機は内部構造が密で、防水シールの貼り直し品質が仕上がりに直結します。非純正パネル・ヒンジ交換歴は再故障リスクとして厳しめに評価。公式/正規代理での修理記録がある場合は控えや明細の提示でプラスに働くことがあります。

7. IMEI・ネットワーク利用制限・初期化

査定当日は、ネットワーク利用制限（◯/△/×）、SIMロック有無、Samsungアカウント／Googleアカウントのサインアウト、端末初期化の可否が重要です。FRP解除ができない状態（PIN不明など）はお預かり不可または減額対象になります。おサイフケータイ初期化も忘れずに。

8. 付属品・箱・限定カラーの評価

箱・未使用ケーブル・純正ケース（リング/フリップスタンド等）、Sペン Fold Edition 等の純正アクセサリは加点要素。限定色・オンライン専売色は需要が安定しており、状態が良ければ上限に届きやすくなります。

9. モデル世代別の見られ方（例）

• Z Fold3/Flip3：初の防水世代。ヒンジの鳴き、折り目の白線、純正フィルムの端浮きは要確認。
• Z Fold4/Flip4：安定世代。ヒンジの保持力と発熱、背面ガラス割れの有無が焦点。
• Z Fold5/Flip5 以降：ヒンジ改良で隙間減。折り目の進行度と外装の微細打痕、バッテリー健全性が差に。

10. 上限を狙うための事前準備チェック

1. 資料：購入証明・修理明細・保証書・型番/容量のわかる箱を揃える。
2. 初期化：Samsung/Googleサインアウト→端末初期化→おサイフ削除を完了する。
3. クリーニング：ヒンジ付近の埃をブロワーで軽く除去。無理な水洗い・分解は厳禁。
4. フィルム：純正保護層が劣化している場合は貼り替えを検討。市販硬質は避ける。
5. 動作確認：カメラ（超広角/望遠/インカメ/カバー側）、スピーカー、指紋/顔認証、無線充電、NFCのチェック。

11. よくある質問

Q. 純正フィルムが少し浮いています。貼り替えるべき？

A. 進行性の判断になるため、貼り替え済みの方が評価が安定します。純正・専用品を推奨します。

Q. ひかえめな線状ムラがあります。どれくらい影響しますか？

A. 輝度・背景色によって見え方が変わる症状は、再現条件を確認のうえ評価します。常時視認できる場合は減額が大きくなります。

Q. 修理歴があっても買い取りできますか？

A. 可能です。正規・非正規の別、防水シールの復元、使用パーツの真贋がわかる資料があるとスムーズです。